日本国内で、ED治療薬を販売する製薬会社4社が行った調査でインターネットを通じて偽のED治療薬が日本国内に流入している実態が明らかになりました。ファイザー、日本イーライリリー、バイエル、日本新薬の調査では、有効成分がほとんど含まれていないものや、逆に本物の1.5倍多く含まれているもの、本物には含まれていない物質を含有しているものが見つかりました。健康被害の報告も少なくないそうです。製薬各社は「ネットでED治療薬を買うのは危険」と警鐘を鳴らしています。

偽造ED治療薬の実態を調べたら


*画像はイメージです

古ぼけた機械、着色料を入れた無造作に地面に置かれたバケツや包装用のフィルム。一見すると、とても清潔とは思えない場所で偽造医薬品は作られています。

日本でED治療薬を製造販売するファイザー、バイエル、日本イーライリリー、日本新薬の4社はタイと日本でバイアグラ、レビトラ、シアリス3種のED治療薬を取り扱う日本語の個人輸入代行業者サイトからED治療薬を購入し、本物かどうかを調べました。

発送元が日本だから大丈夫ということはない

発表された調査結果によると、入手した70サンプルのうち、40%が偽造薬品だったそうです。

偽造薬品の割合は

  • タイ発注で、48.0%、
  • 日本国内発注分で35.6%

に上ります。

また、税関での偽造医薬品の輸入差止めも増えています。
財務省によると、2015年に日本の税関で輸入差止めとなった偽造医薬品は錠数にして約8万錠、件数は1030件に上ります。10年前の件数と比べると100倍以上に増えて錠数も2倍以上に。輸入差止めになった大半の偽造医薬品はED治療薬だと報告されています。

含有成分がデタラメ

最も恐ろしいシナリオは、偽造薬品を服用することで起こる健康被害です。調査に関わった機関の報告によると、「偽造薬品にはなにが含まれているかわからない。どういう環境で製造されたのかもわからない。品質の保証は全くできない」と指摘します。

調査で入手した、サンプル含有量を4社が分析したところ、有効成分がほとんど含まれていないもの、正規品の最大1.5倍の有効成分を含んだもの、正規品にない規格をうたうもの、ほかのED治療薬の成分が含まれていたもの、正規品には含まれていない物質を含んだものなどが見つかりました。

有効成分が含まれていなければ幸運な方で、承認用量以上の有効成分を含んでいたり、正規品にない物質を含んでいたりする場合は、予期せぬ副作用や未知の症状が引き起こされる可能性があります。

通販のED治療薬に安易に手をださない

EDは疾患の特性上「恥ずかしい」といった理由から医療機関の受診をさけ、通販でED治療薬を買う人も少なくありません。手軽に買えるとは言え、「死」に至る可能性があるため通販のED治療薬に安易に手を出すのはやめましょう。

ED治療専門の医療機関で薬を処方してもらおう

ED治療薬は専門の医療機関で処方されたものだけが安全だと言えます。しかしその際も正しい服用方法を守らなければ効果がなかったり、副作用が強くあらわれたりします。参照⇒【ED治療】バイアグラの正しい服用方法と処方

医師と話し合いながら安全に、確実に治療していきましょう。